作品集47(1/2ページ)

Most Valuable Poem ~作品集47~

だいぶ時間が空いてしまいましたが、何とか作品集47のMVP、公開の運びとなりました…!


感想投稿数ランキング

作品への感想投稿数が多かった上位3名が選ばれます。一つの作品に複数回感想を投稿した場合は1回とします。自分の作品へのコメント(返信)はカウントしません。

 

順位 投稿者(敬称略) 感想投稿数
1位 コロンボ 31作品
2位 ayu 23作品
3位 KAMOMI->RU 16作品
紫陽花カンパニぃ

 

前回に引き続き1位となったのはコロンボさん!いつも感想を寄せていただきありがとうございます!おすすめの作品は「ロミオとジュリエット」許されない二人の愛が美しく描かれています。

そして前回3位のayuさんが2位に浮上!いつもありがとうございます!おすすめの作品は「写真」深い悲しみを持ったことがある人ならこの作品は心にしみるのではないでしょうか。

3位は同率2名です!まずは前回2位に引き続き3位にランクイン、KAMOMI->RUさんです!いつもありがとうございます!おすすめの作品は「三寒四温」春の不安定な気候と心の不安定さを掛け合わせた絶妙な作品です。

2人目は初登場、紫陽花カンパニぃさんです!おめでとうございます!おすすめの作品は「輪廻の女王」現実世界の光と闇をしたたかに描いた作品です。

 

今回編集して思ったのは、感想を書いている人はやはり感想をもらいやすい、ということです。なかなか評価、コメントがつかないなあって思った人は、ぜひ、自分から感想を書きに行ってみましょう! 


特別賞

感想コメントがつかなかった作品で他の部門に選出されていない作品を選考対象にし、私、藤松咲希が気に入った作品を1~3作品ほど選びます。藤松の完全なる独断と偏見での選考となりますがご了承ください(汗

 

 

まずはボスタフさんの「2つのマグカップと1つのベッドと(改)」です。かつて同棲していた恋人への想いを綴った作品です。

主人公の男性は今もベッドで泣いているのでしょうか。最後の「慣れてしまいたくない 忘れてしまいたくない」のフレーズ。

想いがギュッと凝縮されていて、読んでいるこちらの胸にもグッときます。

 

 

2つのマグカップと1つのベッドと(改)



お揃いが欲しいからって
2人で買ったマグカップ
あの頃はお金もなかったから
安物になったけど

寒い夜は温かいココアを
同じペースで飲んでる
そんな時間が幸せだった

何回も使い込んでいるから
少し色が変わってきたけど
それがそのまま僕らの時の長さを
語ってる様で


「あなたの横にいたいから」って
2人で潜るシングルベッド
僕の腕を枕にして
僕ら同じ夢を見てたのに

寒い夜は抱き合い眠ろう
同じ鼓動を感じて
そんなひと時が幸せだった

何回も繰り返してきたから
ベッドの右を空けてしまう
癖はなかなか直りそうにないよ
寒さも慣れそうにない

色んなひと時が幸せだった
突然が君を奪った
ありきたりを「ありきたり」と言える幸せを
君との夜を 君との日々を返して
誰に言えばいい??

食器棚のマグカップ もう使わないのに
薄くなった模様が涙に見えるのは何故?
右側が空いたベッド もう君はいないのに
軽くなった腕が僕に教えるのは何?

何回も思い出しているのに
色が薄くなってしまう
僕の涙が2人の思い出を
滲ませてしまうからと思い込んで

何年も繰り返してきたせいで
身体に染みついたこの癖は
なかなか忘れそうにないよ
君がいない夜も慣れそうにない
慣れてしまいたくない
忘れてしまいたくない



作者;ボスタフ
作者・ボスタフさんのプロフィール
ジャンル; [ 歌詞 ]   20170331() 235641秒 公開
この作品の著作権は ボスタフさん にあります。無断転載は禁止です。

作者からのメッセージ

以前投稿した同タイトルの作品にいただいた感想や
友人に読んでもらった感想をもとに書き直したものです。
いらない言葉を省いたりしましたが、結局長くなってしまったような。。
全体的に重く、救いのない終わり方が自分の好みなのでそこは変えずに書きました。
拙い作品ですが何か感じたこと、思ったことご指摘等いただければ嬉しいです。

 

 

 

 

2つ目はかぼちゃさんの「路傍」です。婉曲的な表現がこれから起こることの不吉さを物語っています。これはお見事。

作者からのメッセージにもあるように、大切な人は今すぐ大切にしたいですね。

 

 

路傍

帰りに珈琲を買って来てと
ワイドショーの脇で乱雑なメールを送った
弛んだ体をソファーに横たえて
昨日の出来事を眺めていた

28
度の暖房が揺れては軋む
生乾きの衣服がベランダに吊ってある

ぬめりとした雲が街に灰を擦り込む
外は寒波の影響で疎らな人通り
がさがさと聞こえる空気の流れに
雪すら避けて通る

ねえ まだかかるの 待ちくたびれたわ
ニュース速報が路傍の人の死を悼んだ
冷え性の指 音を鳴らす炊飯器
私はブランケットを引き摺り

閉じた食卓に時計の囁きが響く
まだなの なぞっては宛先を見た
電話は途切れずに歌い続けている
歌い続けている

ぬめりとした雲は今や溶けて消えた
点々とある明かりに人影無く
がたがたと窓を叩いた暗い夜が
玄関前に立っている

ねえ まだかかるの 待ちくたびれたわ
ニュース速報が路傍の人の死を悼んだ
熱を帯びた指に寒気を絡ませ
私はブランケットを剥がして

うん そうだね
私の傘持って行ったでしょ
別に良いけど
帰りに珈琲を買って来て

作者;かぼちゃ
作者・かぼちゃさんのプロフィール
ジャンル; [ 歌詞 ]   20170209() 231214秒 公開
この作品の著作権は かぼちゃさん にあります。無断転載は禁止です。

作者からのメッセージ

大切な人は今すぐ大切にしましょう。

 


アイデア賞

詞として、作品として、アイデア(発想)が良かった作品で、他の部門に選出されていない作品を藤松が1~3作品ほど選びます。こちらも藤松の完全なる独断と偏見での選考になりますがご了承ください(滝汗

 

 

1つ目は烏合エズさんで「造形物の瞳」です。

スマホいじるの楽しいですよね!作詞掲示板もそうだしSNS、ゲーム、動画も見られます。写真だってきれいだし気軽に友達とやり取りできる。とても便利でついついスマホに手が伸びる。

…でも目の前の人とちゃんと瞳を見て会話してますか?造形物の瞳に釘付けになってませんか??

 

 

造形物の瞳




防水加工の瞳になった



ふと目を開ければ画面の世界



僕は「便利」を得た



君から「時間」を奪うために




僕がこの手を広げようとすると



お先、と機械が先手を打つ



僕は「便利」を得た



君から「経験」を盗むために





僕は君に嫉妬している



君は僕の瞳より 造形物の瞳に釘付けだ



見つめ合い、手を取って



狂ったように踊っている

作者;烏合エズ
作者・烏合エズさんのプロフィール
ジャンル; [ ポエム ]   20170302() 220016秒 公開
この作品の著作権は 烏合エズさん にあります。無断転載は禁止です。

作者からのメッセージ

時代は、お風呂でまでスマホができる時代になりました。
目を休めろと呼びかけている団体の皆様にとっては難儀なことなのかなと。

 

 

2つ目はmoaipeさんの「1999」です。実はmoaipeさんの作品をいくつか候補に挙げさせていただきギリギリまでどの作品にするのか迷っていましたが、結局選びきれず最初に目についた作品を選出しました。

この作品を読んでまず思ったのが、「moaipeさんは外国人だったっけ…?」ということ。こういう感情豊かなストーリーは日本にはあまりないような気がします。1999年らしい少し古い感じの表現も雰囲気出ていていいですね。

そして時は20世紀末。私は全てを読みとることはできませんでしたが何かが起こる予感…!

 

 

1999





<1999
85日の手紙>

やあ、元気かい?
僕は今朝5時に目を覚まして、川沿いを走った。
--
そう、あの赤いシューズを履いてね。
ぴったり30分走ったら、家で熱いシャワーを浴びた。
そしてあたためたカップにコーヒーを注いだ。
朝食にはベーコン・レタス・トマト・サンドウィッチを食べた。
歯を磨きながら朝刊を読んだ。
昨夜アイロンをかけたシャツに腕を通した。
週の頭に磨いた革靴を履いた。
1/4
ほどドアを開いて、家を出た。


毎日同じこと。


いつもと違うことといったら、君に手紙を書いているということ。


ねえ、僕らは友達だった。
そっちを離れてから、僕はちっとも変わっちゃいない。
君はどうだろう?


去年の手紙にも同じようなことを書いたね。
そういえば君からの手紙を間違えて捨ててしまった。
僕はとても後悔しているし、とても申し訳なく思ってる。
君について知りたいと思っているんだよ、本当にね。
なのに君からの手紙を捨てたりなんかしてしまった。
そういうことばかりなんだよ、全く。
--
つまりね。何をしたって思い通りにいかないのさ。
僕は一人じゃ何もできないんだ。
自分の最大の欠点を一つ挙げるとしたら、それだね。


そうやって悩んだ時には、いつも君のことを思い出すようにしている。
だって僕は君からいろんなことを学んできたんだもの。


そろそろ時間が来てしまったようだ。
かれこれ3時間もこの手紙を書いていたみたいだ。
病院に行かなくちゃいけない。
遅れるわけにはいかないんだ。
そういえば僕は病院に通っててね--ああ、だめだ。
その話はまた今度だ。
僕は病院に行くと気持ちが沈んでしまって、うまく手紙がかけないんだ。
とにかく続きはまた今度にしよう。
僕はとても急いでいる--この手紙をいち早く君に出さなければならない。
だから、言いたいことはまだたくさんあるんだ--ああ!時間がない。
というわけで、僕は病院へ行くよ。
またね。


ハッピー・バースデー、◯◯




<1999
1231日の手紙>

君が死んでしまったなんて、驚いたよ。
とにかくね、僕は驚いたんだ。
なぜかって、君が死んでしまったからだよ。
僕は、さて、とても興奮状態にある。
混乱している。
そして、後悔している。
君の手紙を捨ててしまったこと。
--
あれは間違いなんかじゃない。
僕は意図的に破り捨てたのさ。
理由はうまく説明できる気がしないから、話さないけどさ。


おい、君は逃げたかったのかい?
僕にはわからないんだ、君はどうして死んだんだ。
死ぬなんて、だめだ。
だめだったらだめなんだ!




<2000
11日の手紙>
ああ!あの手紙は焼き捨ててくれ。
どうか、お願いだ、もう僕だって死にたかったんだ。
だからさ、ねえ、僕は偉そうなことを口走ってしまった。
取り返しのつかないことをしてしまった。



作者;moaipe
作者・moaipeさんのプロフィール
ジャンル; [ -- ]   20170206() 104233秒 公開
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作者からのメッセージ

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